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ご飯茶碗は水につけておくと綺麗に取れる。 他にすることはもうない。これは寝るしかあるまいて。 そして寝る新太郎。 朝目が覚める。 それは起きている自分に自分が気づくということ。 自分が起きているという状態である・・・寝ている状態ではないということを発見したとき人は目覚めるのである。 そんなことを考えながら新太郎は起きた。 朝の目覚めはすっきりするときとしないときがある。 すっきり起きれるときには起きれるもので、起きれないときには起きれない。 その違いなんてあってないようなものだ。 もしもその違いを発見できたならきっとどっかの賞が取れるな・・・そんなことを考えながら新太郎はゆっくりと覚醒していった。 「食事・・・しなきゃな」 朝は物思いにふけることが多い。新太郎は自分のことをそう判断しながら冷蔵庫を開く。 そこには未調理の肉があった。 「・・・?」 何かを忘れている気がする。 「・・・ちょっと待て?あれ?肉?・・・あれ?あれれれれれるれれ?」 頭の中の考えがまとまらない。 一度にどっと押し寄せてくる情報。 昨日は何をしただろうか。 一昨日は何をしただろうか。 その前は? その前は?? その前は??? 「くぅっ」 唐突にめまいを感じて新太郎はしゃがんだ。 めまいを感じている自分とは別の自分が高速で思考しているのを感じる。 僕はいったい何なのか。 なぜ今ここにいるのか。 昨日の出来事を思い出せ。 僕はここにいる。 思い出せないことなどない。 僕はここにいる! 頭が痛い。 頭が痛い! 頭が痛い!! 「頭が痛いんだよぉぉぉぉぉぉッ!!」 新太郎は自分が無意識に吼えていることに気づいた。 「僕は・・・ここにいる?」 高速の思考はすでに収まっている。残っているのはその断片のみ。 「昨日・・・昨日?昨日と今日・・・違う・・・」 ゆっくりと・・・ゆっくりと答えを探す新太郎。 「ない・・・そう、昨日の痕跡がない。つまり今日は昨日?明日も昨日?そして今日は今日で?」 発狂しそうな思考を自分が信じ込もうとしていることに新太郎は気づく。 「あれ?あれ?くぅ?・・・・あはははは」 無意識に出た笑い声を隠さずに出す。 すでに狂気が自分を支配しかかっている。 わけがわからない。 わからないものは嫌いだ。 わからないものなどなくなってしまえ! そこでふと気づく。 「どうして昨日のことなんて思い出そうとしたんだ?」 そこから思考が一気に飛ぶことを自覚する。 奴だ。 飛躍した思考が答えを見つけるが同時に思考する意識は答えを見つけられない。 奴だ。 答えに今手が届いた。 「橘楓・・・」 新太郎は奴の名前にたどり着いた。 [ つづく] |
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