[home] ONLINE BREAKER > MORE > 小説 > 新太郎と愉快な仲間たち > 第三回更新分 [mirror]

「ムキー!!」

橘楓ちょっと不憫である。

そんな会話をしているうちに授業が始まる。しかしながら新太郎は・・・・・・・俗に言う怠け者なので授業中の基本アクションは『寝る』のみのイッツ シンプル人間!!

「んあ・・・・今何時ですか・・・・?」

唐突に眠りから覚めたようである。隣の席である橘楓が答えて曰く

「君が眠り始めて早十七年・・・・・俺たちはすでに三十代後半にさしかかってしまっているのだ・・・・・」

「台詞の滑舌が悪いぞ?とりあえず死ね」

なんかひどいいわれようです。

「さすがにまだ若い身空で死にたくはないよ・・・君が一緒に死んでゴフゥ・・・・やるじゃないか・・・・俺の跡を継げるのはお前しかゴキュ・・・・・せめて最後まで言わして」

「眠りを邪魔するやつは容赦なく排除する」

必殺のこぶしが鳩尾に二発入りました。なんというか・・・わかりやすい行動理念です。やっぱり新太郎はシンプル人間のようです。

「で、今何時?」

「ん・・・・もうすぐ昼食だな」

殴っておきながら平然と聞く新太郎・・・・さっき殴られた新太郎に平然と答える橘楓・・・ここら辺に付き合いの長さが伺えます。

「それで新くんの今日の昼食はなんだい?」

「橘楓の姿焼き」

「材料は俺かよ・・・・」

「ちょっと悩むんだがな・・・・・・・・多分お前だ」

「多分って何だよ、多分って!!」

「・・・・・・・いや・・・・お前をそのまま使うべきかお前の形を似せて姿焼きにすべきか・・・・・」

「そんなのそのままに決まってるだろっ!!お前は料理も知らないのか!!」

「そうか・・・・菊川~~~大きめのバーベキューセット持ってねぇ?」

「・・・・・・・・・・賃貸料一回百円也・・・・・」

「けち臭いぞ・・・・お前も食うか?橘楓の姿焼き」

「・・・・・不味そうだ・・・・が興味がある・・・・故に是非ともいただこうか・・・・」

「ちょっと・・・俺を無視して話進めないでくれます?『是非』とかいわれちゃったよ?俺ってもしかして高級食材?」

「・・・・・考究食材也・・・・」

「・・・・・アクセント的に・・・・考究?・・・・俺って研究材料の一種?」

「それで捌くのはお前に任せるよ。僕は加熱を担当するから」

「・・・・・了解・・・・・灰汁をとることを忘れるな・・・・・」

「こちらも了解っと・・・・・さ~て暴れるなよ~?」

「え・・・・マジですか?ほんとに俺調理される?・・・・・・・・・・ぎゃー!!」

「・・・・・・・・・いいかげんにしなさい!!」

長々と教室の後ろで続く一種の喜劇・・・・・とおもわれるもの(本気の菊川流、本気で逃げる橘楓を除く)にツッコミを入れたのは委員長然とした新川実でした。

「・・・・・・・人間の肉なんて臭みが強いから食えないって言うわよ?」

「・・・・・不味そうである・・・・が興味が・・・・」

「必殺の・・・・・アッパーブロー!!」

渾身のこぶしが橘遼の攻撃を避け続けた菊川流に直撃しました。ところで二人を止めた理由が人間がおいしくないからっていうのは・・・・・おいしかったら止めなかったのでしょうか?

「ほんとに菊川君は接近戦に弱いね・・・・なんで?」

「・・・・我・・・・原因不明・・・・・也・・・・・」

「そうして菊川がダウンし保健室送りになったために橘楓の姿焼きをみんなで食べよう計画は延期になってしまいました」

「変なモノローグ入れないでよっ!!しかも延期ですか!!俺また命ねらわれるっ!!新ちゃん助けて!!」

橘楓は新太郎を『新くん』と呼び新川実を『新ちゃん』と呼ぶ。・・・・・・・・判り辛い。

「・・・・・・・・・さすがに橘さんかわいそうだよ?諦めたら?」

またちょっとおかしな発言の新川実・・・・『さすがに』・・・・・『諦めたら?』・・・・・・・。

「ふむ・・・・・諦めるさ・・・・・・・・・・今回はな」

「ちょっと今回って何さ、何さ!!また俺食おうってのかい?そっちがその気ならこっちもその気だ!!食べてもおいしいように体を作り変えて・・・・ってだめじゃん俺!!」

「ところで・・・・新川・・・・・お前が授業中に立つことなんてないと思うんだが・・・・・・やっぱり?」

「菊川君を呼んだところで気づきなさい・・・・・・菊川君も授業中に立ったりはしないよ・・・・・」

・・・・・・・つまり。

「もう授業終わってんじゃんかよ!!おらっ橘!!飯調達に行くぞ!!」

「ふえ?・・・・・・ああっ髪の毛を引っ張らないで!!だからといって耳もだめ!!・・・・・くひもだめでふよ!!・・・・・襟が伸びる、伸びるって!!袖もだめだって!!襟がだめって時点でわかるものでしょ!!ぬぁ・・・・・・シャツの胸ポケットちょっと・・・・・破れる破れる破れる!!・・・・・・・・ってちょっと今度はどこつかんで!?そんなところだめだって!!バカー!!痛いってば!!むしろこっちから掴むよ!?って腕極めないで!!痛い痛い痛い!!」

廊下の奥から響く橘楓の声を背に

「・・・・・あの二人はやっぱり仲いいなぁ・・・・・本人たちは認めなさそうだけど」

「・・・・・我・・・・同意・・・」

何気に仲良く()談笑する新川実と菊川流である。

[ つづく]