「……えっ!? ううん,いいよ.それよりも,正直驚いた.普段話している時と声の印象が全然違うから.初めて聴いたとき,赤吹さんは本物の歌手なんだなって実感したよ」
「……うん,私も初めて聴いた.こんなにキレイだったんだなあって,ユズの声.それに,なんかこれまで以上に気持ちを込めて歌ってるって感じがしたよ,ホントに」
「それは,あの歌詞はコトネちゃんと一緒に作ったからなんじゃない? だから,大切に歌っているんだと思うよ」
「……そっか.そうだね,そうだよね」
教室へと戻るセーヤ君の後姿を見つめながら,私はひとつ,ため息をついた.廊下の窓から青い空を見上げつつ,私はセーヤ君と普通に接することのできる自分自身に,おかしいとは思いながらも不満を持たずにはいられなかった.
やっぱり,ユズの勘違いだ.私はセーヤ君のこと,別に特別な感情なんて持ち合わせてはいないんだ.なんか,それはそれでちょっぴり残念に思わなかったりしないでもないけど,はっきり分かったんだ.それで十分.
それにしても,ちょっと遠回り過ぎたかなあ.本当のこととはいえ,あんなんじゃ鈍感なセーヤ君,全然気づかないよね.っていうか鈍感じゃなくても気づかないかも.私と一緒に作った歌詞だからって勘違いしてたし.……ううん,それ自体は勘違いなんかじゃないけど,むしろうれしいけど,でも私が言いたかったのはそんなことじゃなくて…….
ホント,なんでセーヤ君,あんなに鈍感なんだろ? もうちょっと勘が鋭くてもいいのにな.……直球ど真ん中のストレートで伝えないとやっぱり分かんないかな.ううん,時間はまだあるんだ,焦らずゆっくり…….
「やっぱり私が一肌脱がないといけない……」
「何を脱がないといけないんだって?」
「! あれっ,先生,……えっ,えっ?」
明らかにいつもと雰囲気の違う廊下.誰の姿も見えず,聞こえるのはチョークで黒板をつつく音だけ.
「もうとっくにチャイムは鳴り終わってるぞ.さっさと教室に入れ,野原」
「は,はいーっ!」
「はあ,今日もサツキちゃんいないのかよー.昨日は来たのは3時間目からだし,その前は昼になるとすぐ帰っちゃったし…….仕事,忙しいのかなあ」
「……ケン,邪魔.2,3日は帰ってこないってさ.だから諦めな」
「2,3日ィ? それじゃあ来週まで会えないってことかあ.……ん? ちょっと,なんでセーヤがそんなこと知ってんだ?」
セーヤが(ゲッ,しまった!)と思った頃にはもう遅く,ケンはセーヤの机の上にあぐらをかき,セーヤの顔を覗き込みながら「何故?」を連呼している.顔を合わせまいと首をひねるとケンもまた器用についてくる.やっちまったという表現が最適な表情をしていたが,セーヤはついに折れた.
「コトネちゃんから聞いたんだ.ほら,彼女は赤吹さんと仲がいいから」
「赤吹ィ? ああ,サツキちゃんのことね.なるほどね.確かにあの2人,転校生同士だからなのか仲がいいもんな.まるで昔からの知り合いみたいにさ.その上コトネちゃんはセーヤの幼なじみときたもんだ.うやらましいぜコンチキショウッ!」
(コンチキチョウって…….だけどこいつ,なかなか鋭いな.だけどいとこだなんて言ったらどうなるか分かんないし.口止めはされてなかったと思うけど)
未だ降りようとする気配すら微塵も感じさせず,机の上であぐらをかいて座っている.何を考えているのか,長い付き合いであるセーヤでも分からなかった.ただ唯一分かることは,ケンが邪魔だということだった.
「……なあ,ケン」
「ん? どうした?」
そう言ってケンはセーヤの机の上から飛び降りた.ご丁寧に机の上を手で払ってくれた.
「お前,年下の女の子って,どう思う?」
「は? どうした突然.……もしかして,お前,彼女ができたのか,年下の!? 誰だ,部活の後輩か? ……あっ,まさかミミちゃんの友達か!? お前それはマズイって.妹の友達と付き合うのはマズイって.しかも中房だろ? 愛があれば年の差は関係ないっていうけどさ,だけど中房はマズイって,お前」
「お,おい! 違うって.勝手に話を進めるな,暴走するなって」
「……なんだ,まだ告ってないのかあ? 中房相手にドキドキ胸をときめかせることはないだろう? あ,でも妹の友達だもんなあ.そりゃドキドキもするか」
「だから,違うッつーに.妄想を膨らませる上にこっちに被害をくれるな.周りが勘違いしたらどうするんだよ」
「……分かった分かった.で,何があったんだ? 詳しくオレに話してみ?」
どこぞの懐のでっかいおっちゃんのような口調でケンは言った.なぜか両手は腰に当てている.優越な者のとる態度だ.
「誰かはナイショだけど,その子,ある人が気になるみたいで僕に相談してくるんだ.その人のこと何も知らないから,どんなことでもいいから教えて欲しいって.僕にそんなこと聞くよりも直接本人と仲良くなった方がいいんじゃないって言ったんだけど,ダメだって.まだ知り合うには早すぎるって……」
「……つまり,そいつの気になるヤツってのが,オレのことなんだな?」
ケンはセーヤの後ろに立って言った.もちろん,セーヤからはケンの顔が見えない.が,その声はさっきまでのおちゃらけた様子とは違い,まじめな男の声だった.
「……さあ? そうとは限らないかもよ」
「オイオイ,それでごまかしてるつもりか? 大体,セーヤに聞いてくるって事はセーヤがよく知る人物ってことだ.それでそのことをオレに言ってくるってことは,ほとんどオレが絡んでるって考えた方が自然だろ」
「……全く,勉強はできないくせにこういうことだけは勘が冴えるんだな」
これ以上何を言っても無駄なところかかえって墓穴を掘ってしまうかもしれないと思ったセーヤは,素直にそのことを認めた.
「お前が鈍すぎるんだよ.それに一言多い.……ま,その子に言っておいてくれよ.『俺の目がお前に釘付けになるように努力しろ』ってな.今のままじゃ,オレ,ほかのヤツと付き合っちまうかもしれないってな」
「……それってどういう……」
「……ん~,今度ばかりはお前に言っておいた方がいいかもしんない.いいか?」
そう言ってケンはセーヤに耳打ちをした.
「オレ,コトネちゃんのこと好きになっちまった」
「……えっ,エーーッ!!」
セーヤがすかさずケンの方を見ると,彼は笑っていた.恥ずかしがる様子は全くなく,ただにっこりと笑っていた.変に気持ち悪くない,すがすがしいほどの笑顔だ.
気が付けばチャイムが鳴っていた.ケンが自分の席に戻ろうとしたとき,彼の後を目で追うセーヤの方へ振り返り,一言.
「けっこう本気だからな,オレ.よろしく頼むよ,幼なじみ君」
悪いことは望まずしも重なってしまうもの.セーヤはすっかりと忘れてしまっていた,ミミが言ったことを思い出してしまった.その内容は事実ではないにしても,セーヤの気持ちを不安定にさせるには十分すぎるもの.実際,一時的にそうだったように.
(お兄ちゃんが原因でコッちんは誰かと付き合わなかったんでしょ.私が推理するに,それってお兄ちゃんが好きだからじゃない?)
(なんか,とんでもないことに巻き込まれてしまったような気がする……)
昼休みになってコトネは,自分の弁当箱を持って教室を飛び出していった.昨日の場合,隣のクラスにいるユズカを迎えに行ったのだが,今日は仕事でいないためセーヤのいるクラスまでダッシュした.
教室を覗いてみると,セーヤは教科書を机の中に入れているところだった.コトネは彼に気づかれないように後ろから近づいていって,肩をポンとたたいた.
「セーヤ君!」
ビクッ!
セーヤはたたかれた方を向いてみると,ブニュっとほおに指がささった.
「……何かな,コトネちゃん?」
「ごはん食べに行こっ」
目だけをキョロキョロさせて教室中を見てみた.幸いにもケンの姿はない.こんなところを見られたらどう思われるか分からないと思ったセーヤは,さっさと片付けるもの片付けてこの場を離れようと思った.
「う,うん.……分かったから,いいかげん手をどけてもらえる?」
未だにセーヤのほおにコトネの指が食い込んでいた.心なしか最初よりも痛い.
「ごめん……」
セーヤはすぐさま机の上を片付けて立ち上がった.ケンに見られる前にそそくさと教室から出た.もちろん後ろから彼女がついてきている.
「ん……? セーヤ,今から飯か?」
「……」
「……ん? どうしたの,セーヤ君.バカみたいに口をぽっかり開けちゃって」
「どうした? 早く行かないと,パンなくなっちまうぞ.それともオレに何か用でもあるのかな?」
「う,ううん.それじゃ」
セーヤはケンの顔を見ることができずにそのまま彼の横を通り過ぎた.コトネも彼の後を追うようにケンの横を通り過ぎた.ケンは振り返ることもなく教室へと入っていった.
(トゲトゲしい言い方だったなあ.後で何か言われるんだろうなあ.まさかすぐに出くわすとは思わなかったなあ.……そもそも,コトネちゃんの誘いを断ればよかったなあ.気が動転してるのかなあ,僕は)
「どうしたの,さっきから.何か考え事でもしてる? よかったら,聞いてあげようか?」
「ううんううん,たいしたことないから.……それじゃあパン買ってくるから,先にいつものところに行ってくれる?」
「私も待ってるよ,いっしょに」
「いいから,先に行ってて.時間かかりそうだからさ」
「……そう? それじゃあ先に行ってるね」
そう言ってコトネは先に行ってしまった.
割と時間もかからずにパンを買うことができたセーヤは,重い足取りでコトネの待ついつもの場所まで行った.
外へ出ると日差しがまぶしかった.すでに前庭の回りで多くの生徒たちが,各々の弁当箱を広げて友達と楽しくおしゃべりしながら昼ごはんをとっていた.そんなみんなを横目で見ながらセーヤはとりあえずいつもの場所へと向かった.
しばらくはいつものようにおしゃべりをしていたが,セーヤはどこか上の空だった.パンもあまりのどを通らなかった.初めてユズカとこの同じ場所で昼休みを過ごしたあとの,取り返しのつかないことをしてしまったような,そんなあの時と同じような感じがした.
コトネはいつもと違うセーヤの様子にとっくに気づいていたが,あえてそのことに触れようとはせず,食べ終えた弁当箱のふたを閉じて片付けながら言った.
「ところでさ,今度の日曜日ヒマ? ヒマだよね? ちょっと付き合って欲しいんだけどいい?」
「ん,……ん~ん」
セーヤは無理矢理理由をつけて断ろうかと思ったが,昔から変に勘が鋭く,コトネの機嫌を悪くさせたくなかった.それに休日にケンと出会うこともないだろうし,そもそもケンは部活で学校にいるだろうから,別に大丈夫かなと思った.だけどやっぱりケンのことを考えたら,断った方がいいだろうなと思った.そうやってどっちにしようか迷っていたら…….
「……だから,お昼の2時ごろに駅前に来てくれる? よろしくね.あっ,遅刻は許さないから.……それじゃ,私は先に行くね.セーヤ君,なんか今日変だけど,何があったのか知らないけど元気出してよ.またね」
そう言ってコトネはその場を走って離れていった.
(迷ってたら勝手に話が進んでたみたいだ…….これは,行くしかないよなあ.行かないとあとで何言われるか分からないし…….……ああ,もういいや! なるようになれだ!)
そう開き直ったセーヤはパンを口の中に押し込み,一気にゴクッと飲み込むと教室へと戻った.
教室へと入って自分の席の方を見ると,ケンがセーヤの席に座っていた.さっきは開き直っていたセーヤだったが,何か言われるだろうなと思いながら近づいていき,彼の横に立つと,ケンは立ち上がってまっすぐセーヤの方を向き言った.
「あのなあ,セーヤ.お前の性格からしてオレのことを気にしてくれてるんだろうけどさ……,そんなことしてくれなくてもオレはオレの実力で彼女を振り向かせてみせるからさ.ただでさえコトネちゃんはこっちに越してきたばかりでお前と一番仲がいいんだ.お前がそんなんじゃコトネちゃん,寂しいだろ?」
「……ケン,お前,青春してるなあ.聞いてるこっちが恥ずかしくなってくるよ」
「うるせえ.それだけオレは本気ってことだよ.……言いたかったのはそれだけだ.セーヤ,お前はいつも通りでいい.OK?」
「……OK」
セーヤの返事を聞いてケンは何も言わずただ一つ頷いて,自分の席へと戻っていった.
(やっぱりお見通しだったか.コトネちゃんにも励まされたし,……僕って分かりやすい人間なんだなあ.まあでも,気にする必要はなくなったってわけだ.本人公認だし.あんなに恥ずかしいセリフはもう聞きたくないけど……,言っていることは間違ってないし.……確か,日曜の昼2時だったよな.遅刻できないよな)
青春している友のおかげで,悩みが一つ消えたセーヤだった.
時はコトネと約束した時刻より十分ほど早いところまで流れる.
セーヤは約束どおり遅刻することなく駅前まで来たが,具体的な待ち合わせ場所が分からずにその辺りをウロウロとしていた.
「駅前ってしか言ってないよな,確か…….電話したくても番号覚えてないし…….そういえば携帯の番号教えてもらったけど,まだ一度もかけてなかったっけ.また今度かけてみるかな…….それより,一体どこにいるんだ?」
などとブツブツ独り言を言いながら駅前をウロウロとしていた.と,そこに.
「橋野君?」
横から聞いたことのある声で名前を呼ばれたので反射的に首をひねってみると,帽子のせいで全く顔が見えない,見るからに怪しい人物が立っていた.
「……」
「あのー,橋野君?」
「えっと,どちらさんですか?」
「え,あ,私……」
そう言いながらその人物はゆっくりと帽子を上げた.彼の前に現れたその人の顔は若干やせこけて元気がなさげで,その上メガネをかけた姿は普段見たことなかったが,その人は赤吹ユズカだった.
「赤吹さん……だよね? なんかいつもと印象が違うっていうか,お疲れのご様子なんだけど」
「アハハ,ちょっとね.仕事がハードスケジュールだったから……」
「ハードスケジュールって……,もしかしてろくに寝てないんじゃないの?」
「うん,まあね…….大体3日で10時間くらいしか寝てないかな.だけどやっと休みがもらえてうれしくて.2週間ももらえたんですよ.……まあ,本当はもうすぐテストでしょ? だから休みなんだけど.テストが終わったらまたすぐに仕事あるし」
「……そっか,もうすぐ中間テストがあるんだっけ.すっかり忘れてた……」
「ところで,橋野君はここで何してるんですか? どこか行くんですか?」
「いや……,コトネちゃんと待ち合わせしてるんだけど……」
そう言って腕時計を見てみると,すでに二時を数分過ぎていた.この間にも秒針は時を刻む.
「駅前ってだけ聞いてたからさ,どこにいるのか分からなくてこの辺りをウロウロしてたんだ」
それを聞いていたユズカは「ちょっと待って下さい」とだけ言って,カバンの中から携帯電話を取り出した.そして慣れたように電話をかけ始めた.
「ごめん,疲れてるのに」
「ううん,大丈夫.……あ,もしもし? ……だめ,電源切ってるみたい」
「そう.……ったく,どこにいるんだ? 遅刻は許さんって言ってたのに,自分が遅刻してるんじゃないんかあ?」
「きっと,どこか違う場所で待ってるんですよ.私も手伝うから,一緒にさがしましょ!」
「ううん,いいって.僕1人でさがすから.赤吹さん,疲れてるんでしょ? 早く帰って休むといいよ.っていうか,休まないと体壊すよ? 明日は学校だし」
「平気です! 橋野君と話してたら少し元気が出てきました.だからコトネをさがしましょ」
「……そんな顔で言われても全然説得力ないよ.とにかく,すぐに帰ってたっぷり寝た方が……」
「大丈夫ッ!」
「は,はい…….じゃあお願いします」
今までに見たことのないユズカの迫力にセーヤは負けてしまった.
「あ,いや,あの……,私も久しぶりにコトネに会いたいなあって思って.私なら大丈夫だから.さ,さがしましょ」
ユズカはセーヤの手を引っ張って歩き始めた.突然引っ張られて足がもつれそうになったがなんとか踏ん張り,セーヤはなすがままにされることとなった.
彼らの後方で一人,彼らの一部始終を目撃していた者がいた.ユズカがセーヤの手をつかんだ瞬間,その人は驚いてバカみたいに口をぱっくり開けてしまった.
「……ユズったら積極的ー! まさかユズから手をつなぐなんて,なんかいつものユズと違う」
この人はこっそりと二人の後をつけることにした.帽子をしっかりとかぶって,二人との距離を広めず狭めず,尾行をするにはちょうどいい間隔を保ちながら.
「セーヤ君にはウソついて悪いと思ってるけど……,ユズ,がんばって!」
あれから二時間,駅前周辺からほんの少し範囲を広げてまでコトネをさがしてみたが見つけることはできなかった.
「さすがに2時間も歩くと疲れたなあ…….どこかで休もうか,赤吹さん」
「う,うん…….それじゃ,あそこのファミレスにでも入ろうか?」
「そうしますか」
二人はすぐ近くにあるファミリーレストランに入った.時間が時間なのでそんなに人はいなかったが,日曜ということもあり同時間帯の平日に比べれば人は多い.
ユズカは深々と帽子をかぶって,セーヤの後ろに引っ付くようにして入店した.セーヤはユズカの気を使って店の奥の席に座った.
「はあ,疲れた.足が棒になったあ」
「ホントだね.私も足パンパンで……」
「……大丈夫ッスか? 眠たくてしょうがないんじゃない?」
「ちょっと……ね.でも大丈夫.……楽しかった.ようやく仕事から解放されて,その上橋野君とこうやってデートできたんだから」
「デートって…….まあ,2人で歩き回ったってことだけならデートって言えるかも知れないな.……そうそう,CD聴いたよ.いつもの赤吹さんの印象と全然違ってて,最初聞いたときは普通にビックリした」
「どんな風に違う?」
「なんかさ,いつも聞いてた声なんかとは全然違って,透き通ったようなキレイな声で.さすが歌手だなって思った.……いやいやいや,普段の声が汚いって言ってるわけじゃないんだ.普段の声も十分キレイだけど,“恋するトキ”を歌っているときの声はもっとキレイっていうか,美しいっていうか,こう,ゾクゾクッってきた」
「……それで,気に入ってくれた?」
「気に入るもなにも,大好きになったよ.もう何十回も聴いたんだから!」
「フフ,ありがと,橋野君」
「……もうっ,あんなに奥に座ったら外から見えないじゃないの! こうなったら……」
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