そして学校中にこの噂が広まった.
そして三学期ももうすぐ終わり春休みだと浮かれ気分でいる学校中にこの一筋の噂が急速に広まった.
いつにもまして英語の五十嵐先生がはり切っていた.
新学年,新学期早々,いつにもまして英語の五十嵐先生がはり切っていた.
「先輩,あの如月サツキさんと話をしたそうですね」
後輩のフルートを吹くリホが,セーヤのところに来ていた.
「秋瀬さん,なんでそれ知ってんの?」
セーヤは赤吹=如月の考え方を採用してこう返事をした.
「何言ってるんですか.先輩今日,彼女と一緒に来てたじゃないですか.会話してないほうがおかしいですよ」
「そ,そうだよね,はははっ.あっ,でもたいしたことは話してないよ.うん,別に……」
別にあせる必要もなかったのだが,なぜかセーヤはあせってしまった.そしていつもより大きい音でトランペットを吹いたらむせてしまい,その様子を見てリホは変な違和感みたいなものを感じたが,そのまま自分のパートに戻っていった.
「橋野,お前,あの如月サツキと話をしたそうだな」
先輩で同じトランペットを吹くトモジが,セーヤに聞いてきた.
「先輩,なんでそれ知ってるんですか?」
セーヤは赤吹=如月の考え方を採用してこう返事をした.
「何言ってるんだ.お前今日,彼女と一緒に登校してたじゃないか.話をしてないほうがおかしい」
「そ,そうですよね,はははっ.あっ,でもたいしたことは話してませんよ.うん,別に……」
別にあせる必要もなかったのだが,なぜかセーヤはあせってしまった.そしていつもより大きい音でトランペットを吹いたらむせてしまい,その様子を見てトモジは変な違和感みたいなものを感じたが,さらに聞こうとはせず自身も練習に戻った.
「せんぱ~い! 今日部活しないんですか?」
部室から走って来たのか,フルートを持ちながらリホが息切れをしていた.
「今日は気分が悪いから帰ることにするよ.先輩にそう言っておいてくれる?」
もちろん気分が悪いというのはウソだった.しかし今の彼の心情を彼女に説明するのもめんどくさかったし,彼女のことだから言ったら「そんなことないです!」と言って無理にでも部活へと連れて行こうとするだろうから,あえてウソを言った.なんとなく彼女には悪いと思ったがそれが最良の方法だと思っていた.
「1人で大丈夫ですか?」
疑いもせずただ心配してくれるリホに対して気が引ける思いがしたが,セーヤは「大丈夫」とだけ言って,ほほえんで彼女に手を振ってそれに答えた.
「橋野~! 今日は帰るのか~?」
今から部活へ行くつもりだったのか,カバンを持ったトモジが声をかけてきた.
「すいません先輩.今日は気分が悪いから帰らせてもらいます」
もちろん気分が悪いというのはウソだった.しかし今の彼の心情をトモジに説明するのもめんどくさかったし,彼のことだから言ったら「なかなか面白そうな話じゃないか」と言って無理にでも部活へと連れて行って根掘り葉掘り聞いてくるだろうから,あえてウソを言った.なんとなく彼には悪いと思ったがそれが最良の方法だと思っていた.
「1人で大丈夫か?」
疑いもせずただ心配してくれるトモジに対して気が引ける思いがしたが,セーヤは「大丈夫」とだけ言って,彼に手に頭を下げてそれに答えた.
すると近くで練習していたリホが,
「橋野先輩なら私さっき会いましたよ.なんか今日,気分が悪いとか言って帰りましたよ」
すると近くで練習していたトモジが,
「橋野ならさっき会ったぞ.なんか今日,気分が悪いとか言って帰った」
そして,再開後一週間,
さらに数日ほどたったある日,
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